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正常運転資金(あるいは経常運転資金)とは、企業の正常な営業活動を行っていくうえで恒常的に必要と認められる運転資金の事です。
図表1は製造業の場合ですが、仕入れた原材料を投下し、仕掛品を経て製品として完成します。そこまでが棚卸資産となります。製品を販売してもすぐには入金されず、一般的には売掛金が発生し、売掛金は現金で回収または受取手形を取得することとなります。受取手形は期日にようやく現金で回収となります。その一方で原材料を仕入れたら買掛金が発生します。現金で支払うあるいは手形で支払いますが、支払手形期日には現金で支払わなければなりません。一般的には入金よりも支払いの方が先行します。その入金と支払の差だけ資金が必要となります。それが正常運転資金(経常運転資金)です。
図表2からも分かるように所要額は次の算式で表されます。
正常運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務
決算書の貸借対照表や試算表から計算できます。しかし、多くの企業では月商は月によって変動しますし、期末日といったある一時点での状況だけで正常運転資金を機械的に計算するのではなく、期中の事業の状況を考慮して一定の幅を持って計算することも必要でしょう。
企業にとっては、棚卸資産の分だけお金を寝かせていますし、売上債権の分だけ顧客からの入金を待たされている状態(お金を貸している状態と同じです)です。逆に仕入債務の分だけ支払いを待ってもらっている(お金を借りているといえます)のです。
したがって、正常運転資金の分だけ資金繰りが苦しくなるといえますから、その資金を調達する必要が出てきます。
銀行にとってはこの正常運転資金に対応する貸出というのは、返済原資が売上債権の回収や棚卸資産の販売によって明確であり、業績に支障が発生しない限りはリスクが少なく、取り組みやすい融資といえます。
かつては正常運転資金に対応する融資として、銀行は中小企業に対して手形割引、手形貸付、当座貸越といった短期の融資で資金繰りを支えてきました。例えば、手形貸付なら期日一括返済の条件によって金利だけ負担していればよく、業績の大幅な悪化等の変化がなければ返済期日が到来しても再貸出が行われていました。中小企業にとっては返済する必要のない資本金的な役割を果たす借入金でした。そのため、擬似エクイティ(資本金)ともいわれ資金繰りにもプラスに貢献してきました。
最近は手形貸付による融資は減少傾向にありますし、手形の発行も減少していることから分かるように、正常運転資金に対応する融資も、銀行は証書貸付による長期貸出をメインに行っています。企業側にとっては長期の借入ならば早期に一括返済を求められる可能性は少ないといえますが、毎月の約定弁済が発生することから、返済分に対応する融資が定期的に行われないと、運転資金は不安定化することになります。
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