資金繰りや経営の改善、経理に強い銀行融資コンサルタント会社。銀行融資取引、資金調達、経理業務、資金繰り・経営改善でお困りの中小企業を応援します。
平成10年頃、私が税理士事務所に勤めていたときの話です。板橋区にある政府系金融機関から借入れをしている顧問先がいました。飲食業を営んでいたのですがいつも少し赤字で、融資が出ない経営状態であったため、返済が苦しくなっていました。リスケジュールをしたいと相談があり、そこで資金繰り表や経営計画書を作成して説明補助のために同行しました。
今と比べてリスケジュールが容易ではない時代でした。しかし、担当者と会ってすぐに「K先生から話は伺っています」と言われ、条件変更の書類もすでに用意してあり、3分もしないで支店を出たことがあります。知り合いの都議会議員に連絡しておいたとのことでした。
今でも政治家等の口利きを利用して融資を受けたいと考える経営者は結構います。ご相談を受ける中で「○○元総理とは親しいから、お願いしたほうがいいでしょうか」「融資に強い議員の先生を紹介してくれませんか」という質問や依頼が時々あります。
口利きによる資金調達が成功したことを話してくださる経営者もいます。どう考えても融資が無理な企業だったのですが、政治家を使って政府系金融機関の上層部に圧力をかけ、資本性借入金(資本性劣後ローン)で調達していました。
以前、新銀行東京での政治家の口利きが問題になりましたし、最近でも政治家の口利きが報道されました。昔に比べるとマスコミやネットの影響力もあり、口利きは議員にとってリスクがあるように思いますが、減ってはいないのかもしれません。
当社に営業の連絡が来たこともありました。「政治家や秘書を接待して政府系金融機関や信用保証協会に口利きしてもらえるサービスをしています。手付金が15万、成功報酬は融資額の10%です。御社の顧問先で困っていたら紹介します」と。もちろんそんな業務提携は断りましたけど。
口利きや圧力があっても、(少なくとも)民間金融機関の担当者は口利きで融資審査に影響されることはないはずです。
それでも担当者とは無関係な所で、融資が決定されるようなことがあるはずです。勤めていた銀行でありましたから。しかし、銀行担当者とは良好な関係は築けないと考えたほうがいいでしょう。
政治家等への口利きを依頼するぐらいなら自社の経営を見直すことを優先しましょう。
政治家や地元有力者を使った口利きは、当然、業績の悪化している資金調達能力のない企業が利用したがります。
この口利き(そして粉飾決算)に手を出すということは、ほとんどが実質的に経営破綻、あるいはその懸念が高い状態になっているわけです。
資金調達が仮に成功したとしても、自社の調達能力を超えた借入金残高になります。毎月の支払利息や返済が大きな負担となって経営はより悪化、口利きを再度依頼するようになります。
しかも私の経験上、口利きを希望する経営者のほぼ100%が資金調達に成功しても、悪化した経営を何とかしようとはせず今まで通りの経営を続けています。
そもそも口利きを頼む考えが間違っています。
経営者ならそんなものに頼らなくてもいい経営を目指しませんか。口利きを希望するような経営になった(なりつつある)のなら、今までの経営が間違っていたとういことですから見直してみましょう。
お付き合いのある顧問税理士あるいはコンサルタント等がいれば一度相談してみましょう。もしいなければ、お近くで経営改善支援を専門にしているコンサルタント等がいると思います。
もしいらっしゃらなければ、当社がお役に立てるかもしれません。支援内容について詳しくは、「サービスのご案内」ページを参照してください。
※このホームページでは、中小企業が融資を受ける金融機関を原則「銀行」、そして社長、経営者、代表者を「経営者」で統一しています。