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資金調達が可能かの判断

決算書から見た資金調達が可能かの判断

会社を経営していると設備資金や商品仕入れ資金などいろいろと資金が必要となってきます。

当然その全額を自己資金から賄えればいいのですが、多くの企業ではそうはいかず、銀行融資によって資金調達することになります。

経営者からするとこれからの資金繰りや事業展開を考えると、自社はあとどれくらい資金調達ができるのか、借入限度額はいぐらぐらいなのか気になるところでしょう。

当社にも「うちはまだ資金調達可能でしょうか」というご質問を受けます。

しかし、銀行の融資判断は決算書だけで行われるものではありません。企業の事業内容、経営者の能力、今後の見通し、保証や担保の有無等が影響するので、銀行によってもその判断は異なりますし、同じ銀行内でも行員によって判断に差が出てきます。

ご質問を受けてそのように説明するのですが、やはりお電話してくださった経営者様は「適当でもいいから資金調達できそうか教えてください」とおっしゃるのです。

そこで、決算書だけで判断するとしたら以下の3つをあげておきます。ただし、3つとも
大雑把に判断するのには利用できる程度と考えて下さい。

1、借入金月商倍率(借入金の月商倍率による判断)

借入金が平均月商の何倍になるかを計算して、限度額の目安を判断する方法です。決算書だけで簡単に判断が出来ることから、だいたいの目安を知りたいときに利用されています。

(短期借入金+長期借入金+割引手形)/月平均売上高

小売業・製造業(1.5安全/3.0要注意/6.0危険)
卸売業(0.8安全/1.5要注意/3.0危険)

一般的には以上のような基準で判断します。

どちらにしても3ヶ月(または3倍)くらいまではまだ借りられるだろうと判断できます。
製造業や旅館業等は設備投資が大きいのでどうしてもこの数字が大きくなります。

2、借入依存度

借入依存度とは、総資本に対する借入金の比率のことを言います。

総資本とは負債と資本を合計した金額、短期借入金と長期借入金、割引手形の合計額を総資本で割った数字になります。当然低いほうが経営は安定していることになり、50%以下が目安になります。

借入の依存度が低ければまだまだ資金調達できる可能性は高いといえます。

3、年間返済額がフリーキャッシュフローを下回っているか

借入金の年間の返済額がフリーキャッシュフローを下回っているかを計算します。新たに借り入れる金額や返済条件から年間の返済額を試算し、既存の借入返済額と合わせてもフリーキャッシュフローを下回っていれば、まだ借入できる可能性が高いといえます。

フリーキャッシュフローとは、営業活動で生み出された資金から投資活動に使われた資金を差し引いたもので、企業が自由に使える資金といえます。この返済原資となるフリーキャッシュフローがプラスでないと借入金の返済は進まないことになります。

正確にフリーキャッシュフローを求めるのはすぐには難しいことから、簡易的なキャッシュフローを計算するため、次のような計算式を用いることがよくあります。

・営業利益+減価償却費
・経常利益-法人税等+減価償却費
・税引後当期利益+減価償却費

銀行によってどれを使うかは異なりますが、借入金利息を支払う前の「営業利益+減価償却費」ではプラスになっていることが求められます。

 

決算書だけでは決まらない

しつこいようですが、これらはあくまで大まかな目安です。

決算書の数値だけでなく、決算書には出てこない企業の強み(経営者の能力や販売力・技術力等)や、今後の業績予想、担保や保証人の有無等によって大きく変わってきます。また、銀行の貸出姿勢や景気の影響も左右します。

ですので、実際には借入金月商倍率をはるかに超えていたり、赤字でフリーキャッシュフローがマイナスの企業はいくらでもありますし、それでも資金調達できている企業はいくらでもあります。もちろん当社にもそのようなお客様はいらっしゃいます。


古い話で申し訳ないのですが、私が銀行員の時には、税引後利益と減価償却費の合計額が年間返済額を上回っている企業なんてほとんどありませんでした。今でも地方銀行や信用金庫等の融資先は同じようなものだと思われます。

中小企業がよく利用する信用保証協会の担当者から聞いた話しでも、これらの基準を忠実に守っていたら保証するところが大幅に減ってしまうから、保証せざるを得ないと言っていました。資金調達の仕事をしていてもそのように感じます。

自社の事業内容や将来性をアピール

これまでの自社の経営に問題があって決算書の内容が赤字であったり、債務超過になってしまっていることもあるでしょう。

現在でも決算書は融資審査の重要な材料の1つです。しかし、金融庁は銀行に対して企業の事業内容や将来性を評価して融資をすること、そしてそれに関して金融庁は口を出さない対応に変更しています。

そのため、まだ銀行によって対応に差はありますが、企業の過去の結果である決算書よりも、企業の事業内容や将来性に注目した審査によって融資をするケースが増えました。

過去の経営結果が悪くても、この原因と改善策、そして今後の業績見通しを銀行に説明していく付き合い方が必要です。

決算書が悪いからと粉飾決算をするのではなく、自社の経営を今後どうしていくのか、経営者の能力が問われる時代になっているのです。

当社ではそのような悩みをお持ちの中小企業経営者様をお手伝いしています。

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