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総資本経常利益率

総資本経常利益率とは、企業が所有しているすべての資本(=総資産)を使って、どれだけの経常利益を生み出したかを示しています。収益性を総合的に判定する代表的な指標です。この指標が高いということは、効率的に利益をあげているといえますし、総資本が有効に活用されているということになります。

分子の経常利益(※1)は1事業年度の利益の累計ですから、分母の総資本も分子との期間を一致させる目的から、期中の平均残高を使うのが理想的です。通常は便宜的に期首と期末の平均残高[(期首残高+期末残高)÷2]を使うようにします。

そして、総資本経常利益率が同業他社と比較してどうなのか(※2)、自社の時系列比較で良くなっているのか悪くなっているのか、収益状況の傾向そして水準を把握します。

収益性:売上高経常利益率=経常利益/売上高×100(%)
効率性:総資本回転率=売上高/総資本(回)

総資本経常利益率に問題があった場合、売上高経常利益率と総資本回転率に分解することができ、収益性と効率性の両面からどこに問題があるかを分析することができます。

総資本経常利益率は業種による特徴が明確になります。例えば、卸売業であれば収益性が低い分を効率性でカバーしていますし、製造業のように設備投資が大きい業種ですと、効率性は低いですが収益性は高いため、これによって収益を確保している特徴があります。

※1、分子に用いる利益は、経常利益だけでなく営業利益や当期純利益が使われることもあります。
※2、同業他社との比較は大切ではありますが、同業であっても規模や地域等によっても異なるため、この比率の比較だけで経営の良否を判断しないようにして下さい。

 

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