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運転資金にはいくつもありますが、今回は赤字資金についてご説明します。
赤字資金は赤字による損失を補填するための資金です。したがって、返済原資はありませんから、銀行としては融資での支援を避けたい資金需要です。
しかし、赤字はどの企業でも発生するものであり、それだけで謝絶される結果になるとは限りません。特にメインバンクの立場にある銀行は、何とか支援できないか検討しようとします。取引履歴、経営者の能力や信用力を勘案して応じてもらえる可能性はあります。ここで支援を打ち切れば、これまで融資した分が回収できなくなるリスクを回避したい目的もあります。
とはいえ、無条件で応じるわけにはいきません。赤字の実態と原因に対して適切な対策を打つことで、確実に黒字体質になると判断されることが必要です。なぜなら、赤字資金を融資した返済原資は、黒字化して得られるキャッシュだからです。
現状では赤字に陥る経営課題があっても、これからの経営改善によって業績の立て直しが経営改善計画書で十分に見込まれる必要があります。もちろん計画内容は実現可能性の高いものでなければなりません。計画には次の内容が必要です。
・実質債務超過であるか否か
・窮境原因は何か
・黒字化の見通しはあるか(予想損益計算書)
・債務超過は解消できるか(予想貸借対照表)
・債務償還年数は正常な範囲内に改善されるか(理想は10年以内)
理想は10年以内と書きましたが、現実には容易ではない企業が多いでしょう。10年を超えるのは仕方がありませんけど、何十年となってしまうのは問題です。
計画書に加え資金繰り予定表も作成し、資金繰りが維持されることを説明できるようにしましょう。
このように赤字資金は銀行が慎重になる資金使途ですから、メインバンクまたは準メインバンクを相手に交渉します。
交渉が難航することもあるかもしれません。そんな時、取引銀行がすぐに融資をしてくれないからと、これまで取引のない銀行に相談をする経営者がいます。しかし、取引のない銀行がリスクある融資に応じることはまずありません。自社の支援に協力的な取引銀行と交渉し、もし融資が受けられない場合はリスケジュールによる資金繰り改善で対応してもらいましょう。
赤字経営でお悩みでしたら、ぜひ無料経営相談をご利用ください。
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