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棚卸資産回転期間は、棚卸資産(在庫)が月商の何か月分あるのかを示している指標です。
棚卸資産回転期間の計算式は以下のようになります。
棚卸資産回転期間=棚卸資産※1/平均月商(ヶ月)※2
棚卸資産は販売することによって現金化できるわけですから、この棚卸資産回転期間は短いほど資金繰り的には良好といえますし、財務分析上も評価されます。
資金繰りの事だけを考えると、棚卸資産は極力持たないで、棚卸資産回転期間が短いほうが良いといえます。
しかし、資金繰りに影響があるからと、この回転期間を意識し過ぎるのも問題です。なぜなら、販売機会を逸しないためにも、ある程度の棚卸資産を保有することは必要だからです。
棚卸資産回転期間が悪化しても、あえて多くの商品を揃えることで顧客からの支持を得ている企業もあります。
自社が属する業界の平均的な在庫水準があると思いますから、まずはそれを参考にしてみましょう。理由もなくそれよりも明らかに多い場合や、回転期間が長期化してきたときは、不良在庫が滞留している、在庫管理に問題がないか、欠陥製品(商品)の発生がないか等を確認する必要があります。また、棚卸資産は利益を出すために架空で多く計上されることがよくあります。棚卸資産回転期間に異常があれば、銀行は架空在庫によって利益を水増ししているのではと疑います。
※1、実務上は決算書に計上されている期末残高を使って計算することが多いでしょう。概算を求めるためであればそれでも問題ありません。ただ、より正確に求めるのであれば、理想的には平均残高(期首残高と期末残高の平均)を使うことも考えられます。
※2、分母ですがここでは平均月商を使っています。実務上、平均月商がよく使われていますし、棚卸資産が月商の何か月分あるかを知りたいときはこれで問題ありません。しかし、簿記を勉強された方なら分かると思うのですが、商品を仕入れた際には仕入という勘定科目で計上していき、仕入のうち期末に残ったものが棚卸資産となるわけです。したがって、棚卸資産回転期間を正確に求める場合は、分母には売上原価を使用することが望ましいといえます。なお、分母は売上原価であり当期の仕入高ではありません。なぜなら、当期の仕入はまだ販売されていない在庫分が含まれているからです。
季節商品の仕入であったり、今後価格上昇が見込まれる原材料を安いうちに大量購入した等の理由によって、棚卸資産が増加したのであれば問題ないのですが、そうでなく長期化しているとしたら、問題となるケースが多いです。
資金繰りにも大きく影響を及ぼします。もし、自社の資金繰りが苦しい、長期化の傾向にあるため経営改善が必要ということでしたら、専門家に一度相談してみるといいでしょう。
当社でも資金繰りや経営改善の相談を受け付けておりますので、もしよろしければご利用ください。
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