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創業融資で断られる理由

日本は長く廃業率が開業率を上回っていますが、国はそれを逆転させるべく開業率10%の目標を立てて創業支援を手厚く行っています。

創業者向けの公的なセミナーは頻繁に開催されていますし、創業融資も昔に比べれば随分借りやすくなっています。

そのため、「これから創業しよう」あるいは「(時期は未定だけど)いつか創業したい」という方もいらっしゃるでしょう。ただ、しっかり準備もせず、独立しようと勤めていた会社を思い切って退職したものの、思うように開業資金を調達することができなかった方に時々出会います。

創業融資を断られる主な理由はいくつかあります。これから独立しようと考えている方は、以下に申し上げる理由に該当していませんか?

自己資金が不足している

自己資金が全くない、あるいはほぼないという方が非常に多くいらっしゃいます。

思うように就職活動ができなかったために社員で働くことができず、ずっとアルバイト等で収入が少なかった等の理由から十分な自己資金を準備できない方もいるかもしれません。

しかし、創業しても数年で廃業してしまう方が多いのが現実です。そのため、融資する側としては自己資金の部分はどうしても重視してしまいます。なぜなら、借入金が多ければそれだけ経営が不安定になるからです。

例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度は、10分の1以上の自己資金があることを申し込み用件としています。創業するのに1,000万円が必要なら100万円以上の自己資金が必要ということです。

ただし、自己資金が10分の1以上あれば申し込みができるというだけで、借りられるかどうかまた別の話になります。

金融機関側からしたら3割程度の自己資金は欲しいというのが本音です。自己資金が全くない、または限りなく0円に近い場合は、創業融資の可能性は非常に低いのです。申込要件をクリアしたから大丈夫というわけではないことに注意してください。

一般的には正社員として仕事をしているのに、全く自己資金が無いと言うのは、生活が派手であるとか、節約した生活ができない人と判断されかねません。

創業後に事業が順調に行くとは限りません。むしろ順調に行く事が珍しいでしょう。そんな状況の時でも、給料の中からコツコツと自己資金を積み立てていた人は、生活費を切り詰めて事業を継続していく事ができるでしょうが、そうでなかった人は生活のランクを下げることができず、難しいと判断されてしまうかもしれません。

自己資金が多ければその分だけ借入金が少なくて済みますから、それだけ創業後の経営が安定することになります。借入金が多ければその分返済や利息の支払いも多くなってしまいます。そうなれば、その返済金や支払利息分の資金を獲得するため、同じ商品・サービスと取り扱うライバル企業よりも高い金額設定や、より多く販売することが必要となってしまいます。

事業計画の出来具合に問題がある

創業融資を申し込む際、事業計画書の提出が求められます。過去の実績がないわけですから計画書の内容は審査に大きな影響を与えます。

ここで問題になるのは、多くの方が計画書なんて作ったことがないためやむを得ないのですが、あまりにも杜撰な計画書や、実現可能性の低い売上高予想を記入している方をよく見かけるのです。

お客様に来店してもらう商売でしたら各曜日の来店客数はどれぐらいになるか、そして一人当たりの単価から求めることが必要でしょうが、ただなんとなく毎月これぐらいは行けそうという月商を記入するレベルの方もいるのです。

例えば飲食業でしたら、オフィス街なら平日は多く、土日は少ないでしょう。逆に住宅地なら土日が多いというように、立地によって各曜日の売り上げは異なってくるはずです。そして、それを積み上げて1か月の売上高を予想しましょう。各曜日とも同じ来店客数ということは少ないはずです。

確かに計画ですからその通りにいかないかもしれませんが、少しでも計画と結果のズレを減らして創業が順調にいくためにも、そして金融機関担当者を説得するためにも、どのような根拠でその数字を算出したのか説明できるようにしましょう。

日本政策金融公庫や信用保証協会のホームページには、創業計画書(開業計画書)のフォーマットがあります。もちろんこれらを使っていいのですが、しっかりと数字の根拠を考えていくと、このフォーマットだけでは足りなくなってくると思います。その場合は、ほかのフォーマットを使ってもいいですし、エクセル等を使って補足資料を作成しましょう。

クレジットカードやカードローンでの延滞や税金の滞納はないか

創業前にクレジットカードやカードローンで多額の借入金がある、支払いを延滞してしまった、または税金の未納があるということはありませんか。

生活費を補てんするためなどでカードローンを利用する方はいらっしゃるでしょう。もちろん、利用があるから駄目というわけではありません。ただし、個人信用情報に延滞などの情報がある、または多額の借入金があるとかなり難しいです。なお、よく引き落としが少し遅れてしまったと相談される方がいますが、それで直ちに事故にはなりません。

それと、税金が未納の状態ではないでしょうか。そのような状態ですと借り入れできる可能性は極めて難しい、または絶対無理となってしまいますから注意しましょう。

 

経験不足

一般的には創業しようとする業界で仕事をした経験があった方が事業も軌道に乗りやすいといえます(業界未経験だから良い場合もあるでしょうが)。

特に日本政策金融公庫では創業する業界での勤務経験を非常に重視しています。全くの未経験の場合に融資 が通る確率はとても低いです。

創業融資のためだけでなく、創業後に成功する可能性を少しでも高めるためにも、その業界で経験を積むことをお勧めします。

しっかり準備をしてから創業しましょう

自己資金が全くない、経験もない等これらにいくつも該当しているのに、「いい物件が見つかったから開業したい」「儲かる商売が見つかった。他人に先を越されないよう一日も早く創業したい」などと焦って独立した人に多く出会ってきました。

しかし、創業融資を借りられずにスタートができなかったり、資金調達は何とかなって事業をスタートさせたものの、経験不足から上手くいかなかったりで、結局2年程度でまたサラリーマン生活に戻っていった人がほとんどです。

独立しようと決めたら1日も早く開業したい気持ちは分かりますが、問題点をクリアして創業計画を進めていかないと、結局リスクは高いし無駄になってしまう可能性が極めて高いです。

ぜひ上記の問題で引っかかるところがあったら、それらをクリアしてから創業するという選択肢も持つようにして下さい。

2016年12月3日

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