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銀行融資の審査に通るコツ|担当者の稟議書作成を企業がサポートする方法

銀行員は昔のように残業がしづらい環境にありますし、預金と融資を中心に営業しているわけにはいきません。また、1人当たりの担当企業数も増えていることが多いでしょう。

つまり非常に忙しい立場にあるため、融資の承認を得るために必要な稟議書の作成も効率よく進めたいと思っています。

したがって、経営者は稟議書を作成するお手伝いをしていくことで円滑な資金調達が可能となります。

融資相談時に必要な内容

担当者は支店長や審査部に対して稟議書を作成し提出します。そこで承認が得られたら融資が実行されます。

担当者が起案し、稟議書は融資課長、副支店長、支店長と流れていきます。さらに本部の承認が必要なら融資部や役員の承認が必要になります。

稟議書には資金を何に使うのか、必要となる金額、どうやって返済していくのかなどをまとめた書類になります。

稟議書は若手や経験の浅い銀行員では作成に悩むことがありますし、ベテランでもあまり頻繁に接触していない融資先では苦労することもあります。

そこで稟議書に必要な内容や書類は基本的に決まっているのですから、企業側が作成をサポートすることで融資希望日までに間に合わせることができますし、審査の通過率は向上するでしょう。

稟議書作成に必要な内容は次のとおりです。

資金が必要になった理由

資金不足に陥った(あるいは陥りそうだ)から融資の相談に来たことは銀行も承知しています。しかし、その理由を尋ねて経営者の回答が「よくわからないけどお金が減ってしまった」では不十分です。

なぜそうなったのか理由をしっかり説明できなければなりません。

  • 毎月の返済額が大きい
  • 売上増による仕入代金の立て替え払いが増加している
  • 保有している機械の老朽化に伴い買い替えが必要
  • 赤字経営により流出した資金の補填が必要


赤字補填資金は銀行としてあまり融資したがりません。しかし、そこをごまかしたり、曖昧にするのはかえってよくありませんから、資金が必要になった理由を必ず明確にしましょう

資金使途(何に使うのか)

資金が必要となった理由から、融資金の使いみちを詳細に伝えてください。よく「運転資金が必要になりました」などと説明する経営者がいますけど、もっと具体的に説明してください。

なお、資金使途違反は問題になりますから、絶対に隠さず本当のことを伝えてください。

融資希望日(いつまでに必要なのか)

「すぐに必要だ」「なるべく早くお願いします」といったあいまいな答えはやめましょう。「9月末の支払日までに必要です」などと明確に伝えてください。

融資希望額(いくら必要か)

資金繰り表や見積書などを根拠にして具体的な金額を伝えましょう。いくら必要か聞かれて「貸してくれるだけ」とか「借りられるだけ」などと言ってしまう経営者がいます。気持ちは理解しますが絶対にやめましょう。

銀行は経営者から必要額を言ってもらわないと審査のしようがありません。また、「5千万円ぐらい必要だと思う」とあいまいな希望額では、本当の必要額以上に融資をすることにならないか、逆に少なくてすぐに再度相談に来るのではと不安になります。

必ず根拠のある希望額にしてください。

返済原資(どうやって返済するのか)

銀行は返済してもらわなければなりませんから、最も重視するポイントです。資金使途によって返済原資は異なりますが、設備投資によって利益が増え、その結果としてキャッシュが得られるので返済する、赤字補填資金でも経営改善策により黒字化に転換し返済するなど、具体的な説明が必要です。

損益計算書には利益は5つありますが、借入金の利息を支払った後の経常利益がプラスでなければ返済能力はありません。したがって、営業利益だけでなく経常利益がプラスであることが必要です。

融資効果(融資でどのような効果があるか)

銀行にとっては、何のためにいくら必要で、確実に返済してくれるかが重要です。さらに企業が資金を調達したことで経営にどのような効果があるのか、それについてもぜひ具体的に伝えてください。

銀行は自行が融資をすることで、経営の安定や成長に貢献することは大きな役割です。それに役割を果たせれば、今後の前向きな資金需要が発生し、新たな融資案件獲得にもつながります。

最低限必要となる書類

経営者がなぜ資金が必要なのか、どのように返済が必要なのかについて説明が必要です。

しかし、銀行に融資を相談する際に必ず必要な書類があります。決算書が必要なのは経営者なら誰でもご存じでしょう。他には次のようなものになります。

試算表

銀行員にとって試算表は月ごと、あるいは一定期間で集計した決算書のような書類です。完成したばかりの決算書は徐々に古くなっていきますから、今現在の数字を知りたい銀行は試算表の提出を要求します。

決算書が完成した直後は不要でも、数か月も過ぎれば求められることが多いですから、常に直近の試算表が提出できるよう経理作業は疎かにしないでください。

経理担当社員がいる企業はいいのですが、小規模企業では遅れ気味になることが多く、それでは融資を申し込んでも審査が進まないことになります。

資金繰り表

資金繰り表とは、資金の出入りを管理するための表であり、私たち個人でいえば家計簿です。

資金繰り管理は経営上極めて重要ですし、銀行との融資交渉でも重要な書類になります。「以前は言われなかったのに、提出を求められるようになった」とのご相談をよく受けます。銀行は重視する書類ですから、いつでも提出できるよう資金繰り表を使って管理していきましょう。

経営改善計画書

経営計画書、事業計画書、経営改善計画書など、〇〇計画書は、中小企業では作成していることが少ないですから、提出するだけでも評価されるでしょう。

どんな優良企業であっても、経営課題はありますし、失敗や反省点はいくらでもあります。決算書が完成し銀行に提出するとき、今期の経営計画書も一緒に提出できるといいでしょう。

リスケジュールなど、銀行にも協力をお願いしなければならない場合は、5年程度の数値計画やかなり内容の濃い計画内容が必要になります。しかし、そうでないのでしたら、前期の反省点を踏まえて今期は何をするのか、そして目標となる売上高や利益額を簡単にまとめるだけでもかまいません。

特に小企業ではあまりやっていませんから、ぜひやってください。

その他

その他にも、設備資金なら見積書が必要になりますし、顧客開拓に成功したのなら契約書を見せて欲しいと言われるでしょう。

何に使うのか、それを補足する書類として必要です。提出するのはコピーでかまいませんが、原本も見せる必要があります。私が融資課にいたとき、過去の契約書に書かれた日付や金額を書き直している融資先がありました。そういう不正があるので、原本は見せて欲しいと言われると思います。

専門家の協力

銀行から簡単に資金調達できる企業もあれば、そうではない企業もあります。決算内容は確かに重要ですが、日頃からのお付き合いの仕方も影響します。

銀行から評価されるには、相手が必要とする書類や情報を提供することです。そして、経営で結果を出し銀行が融資したくなる決算書を提出することです。

しかし、社内の人材だけでは難しい場合もあると思います。そのような場合はぜひ専門家の協力を得ることも必要です。

当社では2005年9月に創業し、20年以上にわたって中小企業の資金繰り安定や経営改善に取り組んできました。

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瀬野 正博

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著書紹介

『決算書の違和感からはじめる「経営分析」(第3刷)』
(日本実業出版社)
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